地上波デジタルの難視聴調査
放送インフラの品質を支える
2011年7月24日に移行した、地上デジタル波の難視聴調査に取り組んでいます。
しかし放送形式が移行したことで、新たな難視聴の問題も発生してきています。
特に東北地方3県(岩手・宮城・福島)は震災の影響もあって難視聴地域の増加が懸念され、現在も大がかりに調査を実施しています。
通常は電波測定用のワンボックスカーの改造車で実施しますが、山間部や道路事情が許さない時には、人手で手上げポールと計測器・バッテリーを持ち、ポールの先端に取り付けた高性能アンテナ(超指向性20~30素子)で山の斜面を駆け回ります。
訪問調査
地域によって、CATV・衛星放送・IPTV等の対策方法があります。
難視聴の地域に、場合によっては戸別に出向いて受信の状態を計測し、周辺の地形(山地・谷部)・自然条件(気象条件や季節変動)・地域のインフラの整備状況、その他地域特有の事情を調査して対策を検討・提案しています。
基本的な調査の流れは以下のようになります。
- 訪問アポイント取得
- 聞取り調査
アンケートにより、現在の受信状況を確認します - TV受信品質調査
現状の受信品質を確認します - 周辺での電波調査
高性能アンテナ+10mポールを使用して、周辺の平地から周囲の山肌までデジタル信号を受信出来る場所を探します - 報告書作成、対策の提案
デジタル信号が受信できるアンテナの建設位置をおおよそ決めたら報告書を作成し、地域の方へ対策をご提案します
もし受信点が見つからない場合は、CATV・IP-TV(その地域にインフラがある場合)または衛星放送への切り替えを勧めています
しかし基本的には、何が何でも地上デジタル受信点を見つける方針で調査を行うことを重視しています。
難視聴調査
アナログテレビジョン放送の時代にも受信障害対策として共同受信施設を設ける事がありましたが、品質の高いデジタル波に移行しても直進性の強いためか、同じように大規模な構造物やビルの陰に当たる場所では受信に障害が発生します。
また、新たな難視と言う事も起きています。これは、アナログ時代には受信できたのにデジタル放送になってから受信出ない場合の事を言います。
地上デジタル受信機を持っていながらデジタル放送を視聴できない、などの地域・世帯に出向き対策方法の調査・コンサル・工事を実施しています。